Codex にスライド資料を作らせてみたら、想像よりずっと本気で組んできた

「Codex でスライドも作れるらしい」というポストを見かけました。
Codexぶっ飛んでるぅぅぅ!!!マジでヤバすぎ!!!
画像生成連続でできるから、スライド資料作らせたらめっちゃかっこいいパワポ生成できるやん!
pptxから作る工程は正直まだClaude Codeに軍配上がるけど、(テキストがズレる改行が下手で使い物にならない)… https://t.co/aF251LRkf8 pic.twitter.com/j7HT1GRxLx— mana|株式会社MakeAI CEO (@MakeAI_CEO) May 19, 2026
Codex というと、コードを書かせる AI、というイメージが強かったんです。GitHub Copilot の裏側にいるやつ、くらいの認識でした。
それが「スライド資料を作れる」と言われると、ちょっと意味が分からない。
なので、実際に作らせてみました。結果から言うと、「コードが書けるAI」ではなく「資料を構成から考えてくるAI」だったという感想です。

実際に出した指示
実験はシンプルです。Codex に、社内向けの提案資料を作ってもらいました。
プロンプトは、おおむねこんな感じです。
中小企業向けに「AI活用の始め方」を提案するスライドを作ってください。形式:
Marp 形式の Markdown
全15ページ程度
ターゲット:
・AI に触ったことがない経営者
・社員数20〜50名規模ゴール:
・AI 活用の必要性を感じてもらう
・小さく始める手順を理解してもらう
・最後に問い合わせフォームへ誘導するポイントは、「スライドを作って」とは言っていないことです。指示したのは、
形式(Marpの.md)
何ページか
誰向けか
どこへ着地させたいか
だけです。デザインも構成もテーマも、Codex に任せました。
出てきたスライド、想像よりずっと本気だった
Codex が返してきたのは、いきなり完成品の Markdown でした。Marp の指定込みで、コピペすればすぐスライドになる形です。
しかも、ただページを並べたわけではなく、ちゃんと構成が組まれた資料が返ってきました。ざっくりこんな流れです。
表紙(タイトル + サブタイトル)
「AI 活用、何から始めるか問題」
中小企業が抱える3つの課題
AI で何が変わるのか
競合の動き(事例)
よくある失敗パターン
小さく始めるステップ
具体的な活用領域
想定コストと効果
導入までのスケジュール
リスクと注意点
弊社が提供できること
導入企業の声
料金プランの概要
お問い合わせ
「これ、構成だけで普通に営業資料として使える」レベルでした。
これを、プロンプト1回・数十秒で吐き出してくるわけです。
一番驚いたのは「資料の組み立て」まで考えていたこと
実演していて一番面白かったのは、Codex が 資料の構成そのもの を考えてきたことです。
たとえば、こんな配慮が入っていました。
課題提起 → 解決策、の順番が崩れていない
いきなり料金を出さず、価値を語ってから費用に触れる
失敗パターンを先に置いて、安心感を作ってから導入手順に進む
最後の数ページで CTA に向かって流れを絞っていく
これ、コード生成AIの仕事じゃないですよね。営業資料の論理構成を理解しているように見えました。
しかも、各ページの中身も、
1ページ1テーマで圧縮されている
箇条書きが3〜5項目で収まっている
重要キーワードは強調記法で太字になっている
という、いわゆる「読みやすいスライドの作法」を守ってきます。
「ただコードを書ける」だけでは、ここまで揃いません。Codex の中で、スライドの構造に対する一般常識がちゃんと働いている感じがしました。
何で出力させるかは、わりと重要
実際に試してみて分かったのが、Codex に「何の形式で書かせるか」で使い勝手が大きく変わるという話です。
主な選択肢は3つあります。
Marp(Markdown ベース):軽い・速い・テキスト管理しやすい。社内資料に最適
Slidev(Vue ベース):見た目をリッチにできる。技術系の登壇向き
python-pptx(PowerPoint 生成):そのまま .pptx で受け取れる。顧客提出に強い
ざっくり使い分けるなら、
速く作りたい・自分用で動かしたい → Marp
見栄えにこだわりたい・コードや図を埋め込みたい → Slidev
どうしても PowerPoint で渡さないといけない → python-pptx
という感じです。
Codex はどれでも書けるので、「受け渡し方」を先に決めてから依頼するのがコツでした。ここを言わずに依頼すると、せっかく出した資料が後工程で使えなかったりします。
これ、資料作成の概念が変わるかもしれない
今回の実演で改めて感じたのは、これは「資料作成の自動化」ではなく、資料作成の概念そのものが変わる話だということです。
これまでの資料作成は、おおむねこんな流れでした。
構成を考える(数時間)
ページごとの要点を整理する(数時間)
PowerPoint で並べる(数時間)
デザインを整える(数時間)
このうち、「構成」と「ページ要点」の部分まで AI が引き取れるということです。
人間に残るのは、
ゴールとターゲットを言語化する
AI が出した構成を「採用 / 修正」で判断する
デザインとブランディングのトーンを整える
の3つになります。
つまり、資料作成は 「書く仕事」から「指示する仕事」に近づく ということです。
「量産スライド時代」のリアル
ここからは少し未来の話を書いておきます。
Codex でスライドが数分で作れるなら、当然こうなります。
1案件1資料ではなく、1案件10資料が前提になる
顧客ごとに別バージョンの提案資料を出す
業種ごとの想定で 5 種類の提案書を一晩で用意する
社内勉強会の資料も、テーマごとに即時生成する
上司用・現場用・経営層用と、見せ方を切り替える
これは、以前書いた 「同じプロンプトで10回投げたら全部違うLPが出てきた」 という話と、構造はまったく同じです。LP も資料も、AI にかかれば「1点もの」から「量産品」に変わっていきます。
そして量産が前提になると、変わるのは制作時間ではなく、「どの構成が刺さるかを試せる回数」です。
提案書を 10 通り作って、相手企業ごとに最適なものを選んで送る。そういう運用が、技術的にはもう可能になっています。
まとめ
Codex は、コード生成AIに見えて、実は「資料の構成」まで考えてくるAI だった
プロンプトに「形式・ターゲット・ゴール」だけ書けば、15ページ規模の資料を一発で組み立ててきた
一番驚いたのは、論理構成・ページ密度・CTA への導線 といった、いわゆる「資料の作法」を守ってきたこと
出力形式は Marp / Slidev / python-pptx の使い分けがポイント
資料作成は「書く仕事」から「指示する仕事」に変わりつつある
これからは 1案件10資料 が現実的な選択肢になる
「AI にスライドを作らせる」と聞くと、Gamma や Tome のような専用ツールを思い浮かべる人が多いと思います。
ただ、コード生成AIである Codex のほうが、「構成を考える」「テキストを並べる」「形式に従う」 という、資料制作の本質に近いことをやれてしまうのは、なかなか面白い発見でした。
スライドを作る人間に残るのは、見せたい順番を決めて、AI が出してきた構成を「読み手目線で正しいか」と判定する仕事になっていきそうです。
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