AI駆動開発

AIに同じ指示を10回出したら、全部違うLPが出てきた

ENHANCED編集部約3分で読めます

最近、AI で LP 制作を試していて、ふと気になりました。

「同じ指示を 10 回出したら、どれくらい違うものが出るんだろう?」

軽い気持ちで実験してみたら、想像以上に "別物" が出てきました。しかも、どれも普通にそれっぽい。これを見て、「LP 制作の概念、変わるかもしれない」と本気で感じました。

同じプロンプトから生成された10種類の美容液LPを並べた一覧。白基調のミニマル、ピンク系の人物写真、医療系の数値訴求、自然素材風、ゴールド系、赤系など、配色も構成もばらばら

実際に出した指示

実験はシンプルです。同じプロンプトを、同じ AI に 10 回投げるだけ。条件をできるだけ揃えるため、間に別の会話を挟まず、新しいスレッドを 10 個立てました。

プロンプトは次のようにしました。

30代女性向けの美容液LPを作成してください。

目的:購入促進(CV)

ターゲット:
・美容意識が高い
・SNSをよく見る
・成分に興味がある

トーン:高級感、信頼感、ナチュラル

ChatGPTの入力画面。「30代女性向けの美容液LPを作成してください」に、目的は購入促進(CV)、ターゲットは美容意識が高い・SNSをよく見る・成分に興味がある、トーンは高級感・信頼感・ナチュラルと指定したプロンプト

「目的・ターゲット・トーン」までガチガチに指定したので、ある程度似たものが返ってくるだろう、と思っていました。

出てきたLP、全部違った

結果から言うと、完全に別物の LP が 10 枚並びました。

4つの異なるトーンのLPを並べた比較図。パターン1ミニマル・高級感、パターン2ピンク・Instagram風、パターン3医療系・成分訴求(臨床試験の実感率96%・92%・89%)、パターン4韓国コスメ風(Before/After比較)特に印象的だった 4 パターンを紹介します。

パターン 1 白ベース、ミニマル、Apple 風

パターン1のLP全体。白基調で美容液ボトルを大きく配置し「肌が変わる。私が変わる。」のコピー、特徴3点、こだわり成分(ヒアルロン酸・ナイアシンアミド・ツボクサエキス)、口コミが続く

余白を大きく取って、ロゴと商品写真だけが静かに置かれた構成。CTA は画面上部に小さく配置。「美容液」というより、ブランド体験そのものを売っている雰囲気でした。

パターン 2 ピンク系、Instagram 風

パターン2のLP全体。ピンク基調で女性モデルの大判写真と「うるおいに、恋をする。」のコピー、ハッシュタグ、悩みチェック、成分紹介、口コミ、初回限定約60%OFF・2,980円の購入枠が並ぶ

エモい雰囲気のフォント、女性モデルの大判画像、ハッシュタグ表記。完全に SNS ネイティブ向けの設計で、「Instagram の投稿からそのまま流入してきた人」を想定しているのが伝わってきます。

パターン 3 医療系、成分訴求強め

パターン3のLP全体。「皮膚科医監修」「科学が導き出した美肌への答え。」のコピー、臨床試験の実感率(うるおい96%・ハリ92%・キメ89%)、3つのキー成分の図解、口コミ、初回限定2,980円の購入枠

「医師監修」「臨床データ」「成分 3 種を図解」と、論理で押すタイプ。CTA の直前に必ずデータを置く構成で、安心感を積み上げてからクリックさせる設計でした。

パターン 4 韓国コスメ感

パターン4のLP全体。淡い紫とピンクで「透明感、つづく肌へ。」のコピー、韓国スキンケアのハッシュタグ、肌のBefore/After比較、成分紹介、口コミ、初回限定約62%OFFの購入枠

パステルカラー、Before/After の比較、モデルの肌アップ。完全に韓国コスメ EC のトーンで、Z 世代向けの売り場を作りに来ているのが分かります。

同じプロンプトです。なのに、ここまで違う。

一番驚いたのは「構成」まで変わること

ここが今回の実験で一番面白かったポイントです。

単に色やフォントが違うだけではありません。**構成そのもの** が違いました。

LP3パターンの構成の違いを比べた図。ミニマル・ブランド訴求型、感情訴求・ストーリー型、論理訴求・データ重視型で、ファーストビュー・CTAの位置・ベネフィットの順番・権威訴求・レビューの見せ方が異なる

具体的には、こんなところに差が出ました。

  • ファーストビューの作り方(商品写真先行 / コピー先行 / モデル先行)

  • CTA の位置(上 / 中央 / 下 / 複数箇所)

  • ベネフィットを語る順番(感情先行 / データ先行 / 権威先行)

  • 権威訴求の有無と、それを置く場所

  • レビューの見せ方(口コミカード / Before & After / 著名人引用)

つまり AI は、デザイン生成をしているのではなく、マーケティング仮説の生成を始めているということです。

「30 代女性に刺さる LP は何か?」という問いに対して、10 通りの答えを用意してきた。そう見えました。

これ、ABテストの概念が変わるかもしれない

ここで「あ、AB テストの意味が変わるな」と思いました。

従来とAI時代のLP制作・A/Bテストを比べた図。従来は2〜3案を数日〜数週間かけて検証、AI時代は100案以上を数分で生成し、ユーザーごとにリアルタイムで最適化する

従来の AB テストはこうでした。

  • 人間が 2〜3 案を企画する

  • それぞれ制作する(数日〜数週間)

  • 公開して数を取る

  • 勝った方を採用する

これが AI 時代になると、こうなります。

  • AI が 100 案を生成する(数分)

  • 全部が少しずつ違う

  • 全部を同時に出す

  • 結果を見て AI がさらに改善案を作る

人間がやっていた「企画」と「制作」の部分が、丸ごと縮みます。残るのは「どれが勝ったか」を読み解く判断の部分だけです。

「量産LP時代」の本当の怖さ

ここが、今回の実験で一番ゾクッとした話です。

怖いのは「AI が LP を作れる」ことではありません。本当に怖いのは、無限にパターンを作れる ことです。

同じ商品のLPを流入元ごとに出し分ける図。SNS流入・検索流入・比較検討層・初見ユーザー・リピーター向けに別々のLPを用意し、「1商品=100LP以上」で成果を最大化する流れつまり、こんな未来が見えてきます。

  • SNS から来た人には Instagram 風の LP

  • 検索から来た人には情報量多めの LP

  • 比較検討中の人には他社比較強めの LP

  • 初見の人には信頼訴求強めの LP

  • リピーターには新商品アピール強めの LP

ユーザーごとに LP が変わる時代 が、技術的にはもう成立してしまっています。

LP は「作って公開して終わり」のものではなく、「ユーザーに応じて生え変わるもの」になっていきます。

まとめ

  • 同じプロンプトを 10 回投げたら、AI は 完全に別物の LP を 10 枚 返してきた

  • デザインだけではなく、構成・訴求・CTA 位置まで全部違った

  • AI は「制作ツール」ではなく、マーケティング仮説の生成機 に近い存在になりつつある

  • AB テストは「2〜3 案で勝敗」から「100 案を同時に試す」へ変わる

  • 「1 商品 1 LP」の時代は終わり、「1 商品 100 LP」 が現実的になった

1商品1LPから1商品100LPへの転換を示す図。これまでは制作に時間とコストがかかりテスト数も少ない。これからはAIが100パターン以上を生成し、ユーザーごとに配信・リアルタイム分析で改善し続ける

これからは、LP を「作る」のではなく、「増殖させ、進化させる」 時代になります。

その時に問われるのは、デザインスキルでもコーディングスキルでもなく、

「どの LP が、どのユーザーに刺さるか」

を見抜く力なのかもしれません。

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