画像・動画生成AI

AIに「ふわっと出して」と頼むだけでLottieアニメが完成する時代へ──text-to-lottieが示すWeb制作の次の地殻変動

ENHANCED編集部約4分で読めます

AI で画像を生成するのは、もう当たり前になりました。コードを書かせるのも普通になり、LP まで AI に作らせる流れが続いています。

そんな中、今度は「Web アニメーション」までが、自然言語で生成され始めています。

きっかけは、海外のエンジニアが投稿したこのポストでした。

「text-to-lottie」──テキストから Lottie アニメーションを生成する、オープンソースのスキルとハーネスが公開された、という内容です。

自然言語の指示からAIが Lottie アニメを作る例の図。「ボタンをふわっと表示して少し跳ねる」「3つのカードを順番にスライドイン」「チェックアイコンをくるっと回転」「ローディングをループ」の4例と完成イメージ

そもそも Lottie とは何か

Lottie を初めて聞く方のために、簡単に整理しておきます。

  • JSON ベースで動く軽量アニメーション

  • SVG ベースなので拡大しても劣化しない

  • Web、iOS、Android で同じファイルを再生できる

  • After Effects から書き出すのが定番

最近の SaaS のオンボーディングや、LP のヒーローエリア、ボタンの微妙な動きなど、「ちょっと気持ちいい動き」のほとんどは Lottie で実装されています。気づかないうちに、Web 上のあちこちで動いているはずです。

Lottie が使われている代表的な場面の図。SaaS のオンボーディング画面、LP のヒーローセクション、ボタンのマイクロインタラクション、読み込み・ローディングアニメーションの4例

これまでの Lottie 制作は、地味に面倒だった

ここが Web 制作の現場ではよく分かる話です。

Lottie をひとつ作るのに、だいたいこんな工程を踏んでいました。

  • After Effects を開く

  • レイヤーを組む

  • キーフレームを打つ

  • イージング(動きの緩急)を調整する

  • Bodymovin などのプラグインで JSON 化する

  • ブラウザで再生確認

  • 「もう少し跳ねさせて」「もう少し遅く」と微調整

  • エンジニアに渡して実装

従来の Lottie 制作フローの図。After Effects を開く→キーフレーム設定→イージング調整→Bodymovin で JSON 書き出し→プレビュー確認→微調整→Web・アプリに実装の7工程

ひとつの動きで、これだけの工程です。動き自体は数秒なのに、制作には半日かかる、ということもざらにあります。しかも、ちょっと方向性を変えたくなった瞬間、また同じ工程を回し直すことになります。

「動きを試す」というシンプルなことの、コストの高さ。これが Lottie 制作の現場感でした。

そこに登場した text-to-lottie

そんな前提のうえで、今回の text-to-lottie を見るとインパクトが分かりやすくなります。

やっていることは、ものすごく単純です。

  • 「フェードインしながら少し跳ねるカード」

  • 「カードが順番に左から並ぶ」

  • 「ボタンが押されたときに、柔らかく弾む」

こうした自然言語の指示を渡すと、Lottie の JSON が返ってきます。あとはそのまま Web に貼り付ければ動く、という流れです。

従来の Lottie 制作とAIでつくる新しい制作の比較図。従来は5工程で1案ずつ作り試せる数が限られる、AIは「ロケットがふわっと上昇」の指示から20案を生成して並べて比較できる

After Effects を開く必要がありません。キーフレームを打つ必要もありません。プラグインで書き出す必要もありません。

「動きを言葉で頼む」だけで、Lottie が手元に届く。これは、Web 制作の現場の前提を地味に書き換えるレベルの変化です。

本当にヤバいのは「量産できること」

AI で動きが作れる、というだけでも面白いんですが、本当のインパクトはその先にあります。

AI 画像生成がここまで広がった理由を思い出してみると、「絵が描けるようになった」だけではありませんでした。「大量に試せるようになった」のがいちばん大きい変化です。

Lottie も同じ構造になります。

  • 動きのパターンを 20 個ずつ試せる

  • LP の CTA ボタンの動きを 10 種類比較できる

  • A / B テスト用に微妙に違うバージョンを並べられる

  • クライアントに「3 案」ではなく「30 案」を見せられる

text-to-lottie による3ステップの制作フロー図。①自然言語プロンプト(ボタンがふわっと出て跳ねる) ②AIが Lottie アニメを生成 ③Lottie JSON を Web で読み込んで再生

「作る」のコストが下がると、「比較する」が当たり前になります。比較が当たり前になると、品質の基準そのものが上がります。AI 画像で起きたことと、同じ流れが Lottie でも起こり始めている、と捉えると分かりやすいです。

でも「気持ちいい動き」は、まだ人間の領域

ここで終わると単なる「AI すごい記事」になってしまうので、現場目線でもう一歩踏み込みます。

text-to-lottie で生成される動きは、確かに「動いている」し、「それっぽい」ものが出てきます。ただ、Web の現場で求められているのは、もう少し繊細なものです。

  • どこで動かすか(ファーストビューなのか、スクロール後なのか)

  • どこで動かさないか(情報密度の高い箇所は逆に静かにする)

  • どのくらい遅らせるか(ブランドの空気感を決める「間」)

  • どこで止めるか(動きすぎは集中を奪う)

このあたりの判断は、いまの AI にはまだ難しい領域です。Lottie の「動き自体」は作れるようになっても、「どの動きを採用するか」「どこで使うか」は、まだ人間のセンスが強く残ります。

アニメーション制作のAIと人間の役割分担図。AIは指示の理解・多様な動きの生成・バリエーション量産・Lottie 出力、人間は目的に基づく設計・どこで動かし止めるかの判断・感情やブランドを込めること

まとめ

最後に整理します。

  • 自然言語で Lottie アニメーションを生成する「ext-to-lottie」が登場した

  • After Effects やキーフレームを触らなくても、動きが手元に届く時代に近づいた

  • 本当のインパクトは「1 つ作る」より「大量に比較できる」ことにある

  • ただし「どこで動かすか」「どこで止めるか」はまだ人間の領域

AI が次に飲み込み始めたのは、Web アニメーション制作の現場でした。画像、コード、LP に続いて、いよいよ「動き」までが言葉で扱える対象になっています。

After Effects を開く時間が短くなったぶんで、何を作るか・何を選ぶか・どう演出するか。ここに時間を使えるかどうかが、これから差を生む場所になりそうです。

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