画像・動画生成AI

AIに「この動画をYouTubeショートにして」と頼んだら本当に完成した話

ENHANCED編集部更新 約4分で読めます

最近、ふと気になって試してみたことがあります。

「AIって、動画編集までできるんじゃないか?」

正確には、Claude Codeに動画ファイルを渡して、「これをYouTubeショート向けに編集して」とお願いしてみました。

結論から言うと、本当に完成しました。しかも、想像していた何倍もちゃんと使えるレベルで。

これを体験して、「動画編集者の仕事って、もう静かに奪われ始めているんだな」と本気で感じました。

動画編集ソフトの前でロボットが「ショート動画、作っておきますね」と話し、AI ツールで9:16のショート動画を生成しようとしているイメージ

AIは「文章だけ」の時代が完全に終わった

少し前まで、AIといえば「文章を書くもの」というイメージでした。

それが、ここ1〜2年で一気に広がりました。

  • コードを書く

  • デザインを作る

  • 調査をまとめる

  • 資料を作る

そして今、ついに

  • 動画を編集する

まで入ってきました。

しかも、専用の動画AIツールではなく、普段使っているClaude Codeのような汎用AI が動画編集をしてしまうところに、地味なインパクトがあります。

AI を中心に、コード・デザイン・調査・資料、そして新たに「動画編集」(NEW)へ用途が広がったことを示す図

なぜClaude Codeが動画編集をできるのか

「テキストAIなのに、どうやって動画を編集するの?」と思う方も多いと思います。

実は仕組みはシンプルです。動画というのは、見た目は派手ですが、中身は

  • ファイル

  • タイムライン

  • カット位置

  • テロップのテキストと座標

  • BGMの音量と挿入位置

といった、ただのデータの集合体です。

そしてClaude Codeは、

  • ffmpeg(動画処理の定番ツール)

  • 動画編集系のライブラリ

  • 自分で書いたシェルスクリプトやPythonコード

を自由に呼び出せます。

つまり、AIから見れば動画編集は「動画ファイルというデータを、ルールに従って加工する作業」でしかありません。文章を書くのとそんなに変わらない、というのが実態です。

元の動画ファイル(MP4)が、タイムライン・カット位置・テロップ(テキスト+座標)・BGM(音量・挿入位置)・書き出し設定というデータに分解される図

実際にやらせてみたこと

今回試したのは、ごく普段使いのオーダーです。

  • 撮影したままの長尺動画から、無音の部分をカットしてほしい

  • 縦長のフォーマット(9対16)に変換してほしい

  • 話している内容に合わせて、テロップを自動で入れてほしい

  • 雰囲気に合うBGMを足してほしい

  • 全体で60秒以内のYouTubeショートに収めてほしい

普通なら、PremiereやDaVinciを立ち上げて半日仕事になる内容です。

これをClaude Codeに、ほぼ自然言語のオーダーだけで投げてみました。

すると、

  • 音声波形を解析して無音区間を検出

  • 該当区間を自動でカット

  • 16対9を9対16に再構成(被写体を中央に寄せる)

  • 文字起こし → タイムコードに合わせてテロップを生成

  • BGMを音量バランスを取りつつミックス

  • 60秒以内に収まるよう自動でトリミング

ここまでを、一気に完走してくれました。

しかも、出てきた動画が普通に「ショート動画として見れる」レベルだったのが、いちばん怖いポイントです。

AI に依頼する前後の比較図。Before は10分・無音多め・横長の動画、After は60秒・テロップ入り・BGM付き・縦長のショート動画

一番ゾッとしたのは「手数」が消えたこと

これまでの動画編集はこうでした。

PremiereやDaVinciを起動して、素材を読み込み、波形を見ながら無音をカットし、テロップのフォントを選び、位置を調整し、BGMをタイムラインに置いて、音量を整え、最後に縦動画用に書き出す。

慣れた人でも、それなりに時間がかかる作業です。

それが、AI時代だとこうなります。

「この動画をYouTubeショート向けに編集して」

これで終わりです。

「ボタンを押す回数」「マウスを動かす距離」が、ほぼゼロに近づいています。

これまでの動画編集とAI時代の比較図。ソフト起動・素材読み込み・無音カット・テロップ作成・BGM配置・縦動画書き出しの6工程が「この動画をショートにして」と伝える1工程になる

それでも、まだAIには厳しい領域がある

ここまで読むと「もう全部AIでいいじゃん」と思えますが、実際にやってみると、AIの弱点もはっきり見えました。

特に、こういう部分はまだ人間のほうが圧倒的に上手いです。

  • どのカットを残して、どのカットを切るかという「選び」

  • 笑いどころや感動どころを引き立てる「間」と「テンポ」

  • 表情や声色から「感情のピーク」を見抜く判断

  • SNSで伸びる構成や、つかみの設計

要するに、「面白いかどうか」「人の心が動くかどうか」を判断する部分 は、現時点ではまだAIに任せきれません。

AIが作るショート動画は、確かに「ちゃんと完成している」のですが、「思わず最後まで見てしまう」域には、もう少し距離があります。

ショート動画制作の4層ピラミッド図。下からカットの取捨選択・テンポと間の設計・感情のピークの演出は AI が得意、頂点の「バズる構成の企画」は人間がまだ強いクリエイターの居場所

本当に変わるのは「編集者」ではなく「編集作業」

ここが、今回いちばん伝えたいポイントです。

「AIに動画編集ができる」と聞くと、つい「動画編集者が失業する」という話に飛びがちです。

でも、実際にやってみて見えたのは、少し違う景色でした。

AIが奪うのは、「動画編集者」という人ではなく、「動画編集という作業」 のほうです。

つまり、

  • カットする

  • テロップを打つ

  • 書き出す

といった手を動かす部分は、これからどんどんAIに移っていきます。

その代わり、人間に残るのは、

  • どんなショート動画を作るかという「企画」

  • どこを切ってどこを残すかという「構成」

  • 出てきた動画が良いかどうかという「判断」

  • ブランドや世界観に合っているかという「審美眼」

といった、判断と編集観の部分になっていきます。

まとめ|「AIにこの動画をショートにして」と頼める時代に入った

最後に、今回のポイントを整理します。

  • Claude CodeのようなAIは、ffmpegやスクリプトを使って動画編集まで実行できる

  • 「この動画をYouTubeショート向けに編集して」だけで、無音カット・縦動画化・テロップ・BGMまで一気に処理してくれる

  • 動画は中身を見れば「データの集合体」なので、AIにとっては文章と地続きの作業

  • 一方で、カットの選び方、テンポ、感情演出、バズる構成は、まだ人間の方が圧倒的に強い

「AIに動画を編集させる」というのは、少し前なら冗談みたいな話でした。

それが、ふつうに依頼して、ふつうに完成する時代になっています。

このまま行くと、近い将来、動画編集のオーダーは「Premiereを開く」のではなく、

「この動画、ショートにしておいて」

と一言伝えることから始まるのかもしれません。

そのとき、本当に問われるのはソフトを使いこなすスキルではなく、

「どんな動画を作るべきか」

を考える側の力だと感じています。

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